このページでは、私が30代の頃によく聞いたフェイ・ウォン(王菲)のお気に入りアルバムをまとめています。
ひたすら懐かしい。
2000年代は私が大学院生の頃で、中国人留学生たちから映画監督ウォン・カーウァイ、俳優のレスリー・チャン、歌手のフェイ・ウォンたちをたくさん教えてもらいました。映画も音楽も消化しまくりました。
フェイブル:寓言/2000年10月1日発売

私自身はフェイ・ウォンのなかで一番好きなアルバム。
アルバム・データ
日本版ボーナス・トラックに「EYES ON ME featured in FINAL FANTASY 8 (ALMIGHTY RADIO MIX)」と「シャネル(シャナイア)日本語版」。
収録曲
- カンブリア紀
- 新しいルームメート
- シャナイア
- 阿修羅
- 彼岸花
- 変身ゲーム
- 恋の行方
- 私の方がもっと好き
- さよなら蛍
- 笑って忘れて
- 蛍(「さよなら蛍」の広東語ヴァージョン)
- 自分宛のラブレター(「笑って忘れて」の広東語ヴァージョン)
- EYES ON ME featured in FINAL FANTASY 8(ALMIGHTY RADIO MIX)
- シャナイア(日本語バージョン)
コメント
ファンたちが待ち望み、2000年10月20日にアジア広域で発売されたニューアルバム。
アルバムのジャケットには「赤、黄、緑」の3色サイケデリック・アイシャドウの王菲。カバーの上でファンは衝撃を受けました。
アルバムの前半と後半は完全に分離されていて、スタイルは完全に異なっています。
愛の始まりを示唆する「カンブリア紀」に始まるこのアルバムはフェイ・ウォンには珍しい、雄大でゆったりした叙情詩風メロディーに乗った曲が多く収録されています。
「シャネル」や「新しいルームメート」は素早く軽やかなテンポの曲。「新しいルームメート」は映画「恋戦。OKINAWA Rendez-vous」のクライマックスで流れます。このアルバムで一番好きな曲。男性二人が沖縄の広い道をオープンカーで颯爽と走る場面が壮大でリズミカル。
この2種類が混在した「フェイブル」はこれまでのポップ・シンガーとしてフェイ・ウォンを乗り越えそうな予感をする一方、従来の曲が好きな人々には聞きづらいものでありそう。私自身はフェイ・ウォンのなかで一番好きなアルバム。
『天下無雙』サウンドトラック:2002年4月23日発売

『天下無雙』サウンドトラック:2002年4月23日発売
収録曲
- 序曲 02. 出宮 03. 下江南 04. 殺氣 05. 天地之大小於塵埃 06. 喜相逢 -王菲、梁朝偉 07. 朝露 08. 善其身 09. 醉一場 -王菲、梁朝偉 10. 喜相逢啦啦啦啦啦 11. 眼淚流 12. 離恨 13. 桃花為萌 14. 平地有風雷 15. 愛有神奇力量 16. 緣定今生 17. 獨歡 18. 觸影生情 19. 天下無雙天啦地啦 -王菲、梁朝偉 20. 天下無雙那個啦 想說啦啦啦 -趙薇、張震 21. 有你有我 22. 人間天地好 23. 愛火不熄 24. 如許前塵 25. 不回首 26. 春暖花開 27. 天下無雙天啦地啦(B版) -王菲、梁朝偉
百代唱片有限公司提供版權、中國唱片上海公司出版發行
コメント
中国の伝統的な楽器や現代のドラムなどを賑やかに使った『天下無雙』サウンドトラック。黃梅調に仕上がったメロディーが楽しい。
中国では、古来から桃の木を愛の地(楽園=桃源郷)と考える習慣があります。映画では桃花が平安(フェイ・ウォン演)と 小霸王(トニー・レオン演)のデート場所になっていたのはご承知の通り。

『天下無雙』サウンドトラック:2002年4月23日発売

『天下無雙』サウンドトラック:2002年4月23日発売
また、ウォン・カーウァイ監督「楽園の瑕」の盲目剣士(トニー・レオン演)と桃花(カリーナ・ラウ演)夫妻の住処とされたのが桃の花が咲く場所でした。実は剣士のいう「故郷」が妻そのものであったという結末が待っていましたが)。
ジェフ・ラウ(劉鎮偉)監督は「天下無雙」で「楽園の瑕」でのエピソードをデート場所としてダイレクトに焦点を当てたわけですね。
將愛:将愛/2003年12月4日発売
収録曲
- 將愛
- 空城
- 不留
- 美錯
- 乘客
- 陽寶
- 旋木
- 四月雪
- 夜妝
- 煙
- MV
- 假愛之名
- 花事了
アルバム・データ
東芝EMIからソニー・ミュージックへ移籍した第1弾。だが、2年後の結婚を控え、事実上ラスト・アルバムとなった作品。このアルバムでフェイ・ウォンは作曲5曲、作詞3曲を手がけています。
コメント
戦争を比喩にして、愛情のもっている残酷さと犠牲とを描写しています。雄大なテンポや軽いポップ風の曲が多く、2000年の「フェイブル」(寓言)を思い出します。
このアルバムは愛と戦争を比喩にしたことが大きく影響を与え、歌い方と声に力強さがある点は「フェイブル」と異なります。コンパクトな歌詞にもスピード感とリズム感があります。
大胆で引き締まったリズムと歌い方が絶品。21世紀に入った数年間でフェイ・ウォンが溜め込んできた色香がこのアルバムには滲み出ています。ポップなアルバム・ジャケットの艶やかさにも引き込まれますが、これをもって最後かと思うと寂しい思いがしました。
林夕:フェイ・ウォンのお抱え作詞家
林夕はフェイ・ウォンに多くの歌詞を書いてきました。デビュー・アルバム以来の仲です。
林夕はフェイ・ウォンとの関係を次のように述べています。自分が書いた言葉と彼女の歌は結婚のようなものです。私たちは緊密に協力してクラシックな領域を作って、皆さんに知られていきます。
林夕について
林夕の本名は梁偉、香港生まれで祖籍は広東省東莞市。
広東語と北京語の歌詞を含む、香港の音楽のなかで最も有名な作詞家の一人です。
作詞家デビューは1980年代半ば。それ以来、作家、作詞家、マルチメディア・クリエイターとして活躍してきました。
1995年から2005年までの10年間だけでも2,000以上の歌詞を作りました。1995年から2003年まで9年間連続で作詞家賞を受賞しています。中国や香港で彼はかけがえのない地位を確立しています。
デビューしてから、ごく最近まで林夕はメディアにほとんど登場しませんでした。本人は公言していませんが、いくつかの経歴が確認されています。大学で中国語の翻訳を専攻し、教育助手として働いた時期もありました。卒業後はテレビ局や新聞社で働きました。
1990年代半ばに作詞コンペティションに参加して受賞。これを機にレコード会社からの招待を受け、フルタイムの作詞家を始めました。
コメント